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【あやめ日記】世界遺産”吉野”の桜

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心躍る春を迎え、全国各地から桜の便りが聞こえてきます。皆さま、お花見には行かれましたか?
あやめ日記では地域との共生にフォーカスし、創業の地【奈良】の季節の見どころ、特産、歴史など、奈良の魅力を発信してまいります。

 

奈良の桜といえば、吉野山。今回は、見頃を迎えた吉野山の絶景をご紹介いたします。

 

 

吉野山の桜

平安の時代から「一目千本」と呼ばれ、桜の名所として名高い吉野山は、シロヤマサクラを主に、約三万本の桜があるといわれています。吉野山の桜スポットは、標高の低いところから「下千本、中千本、上千本、奥千本」と呼ばれ、下千本から順に咲き始め、1カ月ほど桜を楽しむことができます。

 

野生の桜であるシロヤマサクラは、街中で見かけるソメイヨシノと比較し、花が白く、開花と同時に赤茶色の若葉も開き始めます。日照時間など立地条件によって開花時期に個体差があるため、近くで見ると桜の様々な表情が楽しめ、遠目に見ると花の白と葉の赤みがぼんやりと混ざり、一体が優美なピンク色で覆われる様は、圧巻です。

 

 

なぜ山肌一面を埋め尽くすほどの桜が植えられているのか

吉野山の桜は、約1300年の歴史があると伝えられています。修験道(山に籠って厳しい修行を積むことで悟りを得ることを目的とする山岳信仰)の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が厳しい修行の果てに蔵王権現(ざおうごんげん)の姿を感じ取り、山桜に刻んだことに由来します。

山桜はご神木として信仰され、修験道の総本山である金峯山寺(きんぷさんじ)の参拝者によって植え続けられてきました。山肌を埋め尽くすほど植えられた桜は、人々の信仰の証なのです。

 

 

世界遺産に登録された吉野山

2004年、吉野山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコの世界遺産に認定されました。三重、奈良、和歌山の三県にまたがる紀伊山地の自然を信仰する霊場と参詣道、それらを取り巻く文化的景観、つまり「山や森などの自然を神仏の宿る所とする信仰が形づくった景観」が、世界でも類を見ない資産として高く評価されています。

吉野山は山全体が世界遺産として登録され、吉野水分神社、金峯神社、金峯山寺、吉水神社、大峰山寺の建造物が含まれます。

 

 

見頃を迎えた上千本の桜をレポート

今年は例年より桜の開花時期が早まったため、訪れた日は上千本の桜が満開を越え、散り始めに差しかかっていました。

見頃の上千本を目指し、最寄りの近鉄吉野駅から臨時バス※で中千本公園まで乗車。車中から見える景色に胸が高鳴ります。
※運行期間などの詳細は、奈良交通株式会社のホームページをご確認ください。

 

中千本公園からは徒歩で、上千本エリアの世界遺産「吉野水分神社」を目指します。上千本へは急斜面の上り坂が続きます。時折見える桜の群生に励まされ、小休憩をはさみながら上り続けること小一時間、吉野水分神社に到着。

 

 

吉野水分神社は子宝の神として信仰され、豊臣秀吉が子授け祈願をし、その子秀頼を授かったと伝えられています。

標高596mに位置する神社は、空気が凛と澄み渡り、満開の桜と国の重要文化財に指定された桃山建築の三殿一棟の本殿、幣殿、拝殿、楼門の建築がとても美しく、これまでの登山の疲れを忘れるほど。

 

ここからは下山しつつ、名所をめぐります。上千本エリアの「花矢倉」からは、上千本、中千本、蔵王堂の全景を一望でき、吉野山の尾根に桜色のリボンがたなびくような絶景を楽しめます。

上千本は満開を越えた散り始めの桜が多く、風が吹くたびにはらはらと舞う花吹雪が白くきらめき、この時期ならではの美しさを堪能。

 

 

山を下り、中千本エリアへ。中千本は、吉水神社の中千本から上千本を見渡せる「一目千本」と呼ばれる絶景や、世界遺産「金峰山寺」など見どころが満載。金峰山寺のご本尊「蔵王権現」は秘仏ですが、国宝仁王門大修理のため特別ご開帳※が実施されており、必見です。
※期間や拝観料などの詳細は、公式ホームページにてご確認ください。

中千本エリアには、飲食店やお土産物屋が立ち並び、休憩や食べ歩きなども楽しむことができます。吉野葛、柿の葉寿司など地元グルメもたくさん!


さらに下山し、吉野山駅からロープウェイで近鉄吉野駅に戻ってきました。ロープウェイから眺める下千本エリアの桜は落花が盛んで、風が吹くたびに舞い散る花びらを惜しみつつも、新緑の紅葉との色彩が見事で、最後まで目を楽しませてくれます。

 


悠久の歴史を感じる絶景

今回めぐった近鉄吉野駅〜上千本の吉野水分神社の高低差は、なんと約390m!さらに上の奥千本エリアは標高700mを超えます。ロープウェイや臨時バスを上手く活用して、見学コースを検討してくださいね。

 

紀貫之、西行法師、松尾芭蕉‥数々の文化人が詠み、惹きつけられた吉野山。人々の信仰が紡いだ奥深い歴史に思いを馳せ、悠久のときを越え、今なお人々を魅了し続ける壮大な絶景を体感しに、足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

※本記事の情報や写真は最新情報ではない可能性がございます。必ずご自身でご確認ください。

 

▼参考サイト

吉野町ホームページ http://www.town.yoshino.nara.jp/
わかやま文化財ガイド http://wave.pref.wakayama.lg.jp/bunkazai/index.html

 

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