【あやめ日記】見頃の花しょうぶを探して
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あやめの花が咲く季節が訪れました。
奈良県宇陀市の室生寺にほど近い「滝谷花しょうぶ園」では、約3万3000平方mの敷地に600種100万本もの花しょうぶが美しく咲き誇ります。
よく似た見た目のあやめ、かきつばた、花しょうぶ
─── いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)
見分けがつかないほど似ている、美しい花たち。皆さんはその違いをご存じでしょうか。
あやめは、文目(あやめ)と呼ばれるように、花びらに網目の模様があります。5月上旬に花が咲き、畑や草原など乾燥した場所に群生します。
かきつばたは、花びらの根元に白い模様があります。5月中旬に花が咲き、湿地に群生します。
あやめやかきつばたによく似た花に、花しょうぶがあります。花びらの根元が黄色いのが特徴で、花の色は紫のほかにも、白やピンク、ブルーもあります。5月中旬〜6月下旬に花が咲き、乾燥地や湿地に群生します。
いずれの花もアヤメ科アヤメ属。それゆえ、見分けがつかないほど似ているんですね。
あやめの漢字は「菖蒲」、しょうぶとも読みます。しょうぶはショウブ科なので、あやめとはまったく異なる品種です。アヤメ属の花々と違って、黄緑色の楕円系の花が咲きます。葉には香りがあり、根に薬効がある植物で、魔よけとして大切にされてきました。端午の節句の菖蒲湯に使用されるのもこちらの品種です。
谷あいにひっそりと佇む花しょうぶの名所「滝谷花しょうぶ園」
宇陀市の滝谷花しょうぶ園では、色とりどりの花しょうぶが今が見頃と咲き誇っています。
訪れた日は、梅雨真っ只中の曇りときどき小雨。
丁度、花しょうぶ園に着くと小雨が止み、花の色も鮮やかな、雨露きらめく美しい姿を見ることができました。
花しょうぶのほかにも、紫陽花や水連の花が見頃を迎えていました。
谷あいに位置する滝谷花しょうぶ園では、鳥のさえずり、虫の声、水の流れる音、木々のざわめき‥など静かな自然の音に溢れています。深々と息を吸い込むと、雨上がりの土の匂いのするしっとりした空気が体中を満たしていきます。
日々の喧噪を離れ、鈍りがちな五感を刺激し、心身のバランスが整うひと時。
皆さんもぜひ、お近くのあやめや花しょうぶを見に行かれてはいかがでしょうか。
あやめの花言葉は「希望」や「メッセージ」。
日本古来の優美なお花の名を冠し、わたしたちayameの想いを発信してまいります。