【Vol.8】女性ホルモンと心身の関係Q&A PART1 / Writing: Sales Promotion Ayako
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女性の心身のバランスに深く関わっている女性ホルモン。
聞いた事がある。なんとなく知っている。だからと言って特別何かをしている
わけではない。という方は多いのではないでしょうか。
実は、私もその1人です。
今回は、女性ホルモンがもたらす心身の関係にフォーカスし、
淀川キリスト教病院産婦人科医の柴田綾子先生に、Q&A形式で
お答えいただきました。今回と次回の2回に渡ってお伝えします。
Q1女性ホルモンって何ですか?
A. 女性ホルモンとは、卵巣から出ている①エストロゲン(卵胞ホルモン)と②プロゲステロン
(黄体ホルモン)の2つの物質をいいます。この2つの女性ホルモンは、脳の視床下部、下垂体
からのホルモンによってコントロールされています。女性ホルモンは、女性らしい体つきを
つくったり、生理がきたり、妊娠の準備をするはたらきがあります。
①エストロゲンの作用
・女性らしい丸みを帯びた体つきをつくる
・骨を強くする
・肌の張りを保つ
・排卵を起こすようにする
・脳の認知機能を保つ
・コレステロールを減らす
②プロゲステロンの作用
・体の水分を保つ
・乳房を発達させる
・体温を上昇させる
・子宮内膜を厚くして妊娠できる準備をする
・受精後に妊娠が続くようにする
参考資料
・日本産婦人科医会
・基礎体温計測推進研究会
Q2どうして女性は、ホルモンの影響をうけやすいのでしょうか。
また、影響をうけやすい年齢はありますか。男性にも、男性ホルモンや女性ホルモンが
存在すると思います。しかし、男性が男性ホルモンの影響で心身に影響が出たと聞いた
ことがありません。
A. 女性のホルモンは毎月の生理に合わせて大きく変化するため、生理の前後でいろいろな
症状が起こりやすくなっています。排卵前はエストロゲンが増え、排卵後はプロゲステロン
が増えていきます。そして生理が始まる前になるとエストロゲン・プロゲステロンともに
減少します。一方男性では、思春期になって男性ホルモンが上昇したあとは大きな変化なく、
一定のレベルが続いていきます。そのため男性では、ホルモン変化による症状が起こりにくい
と言われています。
女性も男性も、性ホルモンが減る更年期(40代後半から50代前半)には、
心身に影響がでやすくなります。特に女性は更年期のホルモンの低下が
急激なので、多くの女性が更年期症状(のぼせ、ホットフラッシュ、
イライラ、不眠)などに悩まされます。最近では、女性だけでなく、男性
にも更年期症状がでることが分かってきています。
Q3月経前症候群(PMS)の症状が軽い、重いは女性ホルモンが関係していますか。なぜひとりひとり症状がまちまちなのでしょうか。
A. 症状の重い軽いは、女性ホルモンが少し関係しています。これは個人差が大きくあり、
PMSの症状が全くなく困っていない人から、症状がひどく寝込んでしまい学校や仕事に
行けなくなる女性もいます。
PMSの症状が人によって違うのは、女性ホルモンのほかに、脳の神経伝達物質の違いも影響
していると言われています。ほかにも、仕事や人間関係などのストレスが大きい状況では、
PMSの症状は悪化しやすいと言われています。
参考資料
男女共同参画白書(概要版) 平成30年版
Q4雑誌等では、女性ホルモンは体の不調とあわせて目にすることが多いですが、良い影響もありますか。また、年齢や出産の有無によって影響は違うのでしょうか。一番影響を受けやすい年齢はありますか。
A. 女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)は、女性らしい体つきをつくり、
骨を丈夫にし、肌の張りを保つなど、良い効果もたくさんあります。
女性ホルモンは年齢によって変化し、更年期(40代後半から50代前半ごろ)になると少しずつ
減っていきます。出産経験の有無によっては大きく影響を受けませんが、無理なダイエット
や、激しい運動で体のエネルギーが足りなくなると、生理が止まってしまい女性ホルモンが
減少してしまいます。更年期(閉経する前後5年間)は、女性ホルモンの減少の影響を1番受け
やすく、のぼせ、ホットフラッシュ、肩こり、イライラや不眠などの症状が出やすくなります。
参考:日本産科婦人科学会、ヘルスケアラボ
淀川キリスト教病院 産婦人科 柴田綾子先生 著述
いかがでしたか?
次回は、女性ホルモンと上手に付き合っていく方法をお伝えしますので、お楽しみに!